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ボトックス注射で感情に関わる脳活動が変化?
神経に作用させて、筋肉の動きを弛緩させるボツリヌス療法(ボトックス注射)。
ドイツの脳科学者が、「ボツリヌス菌を眉間に注射して眉間を動かなくするグループ」と「注射を打たない通常の眉間の動きができるグループ」に被験者を分けて、コンピューター画面上の人物の表情の真似をしてもらい、そのときの脳の活動を測定する研究を行いました。
ボツリヌス菌を注射して眉間の動きを止めたグループは、眉間の動きがとれず、脳の偏桃体とそこから脳幹へとつながる部分の働きが弱まることがわかりました。
このことから、自分自身が表情を作ることによって、脳の感情をつかわどる部分の活動が増大することがわかります。
また、アメリカの脳科学者の研究によると、他者の表情を読み取る際にも、ボツリヌス菌を注射すると正確度が低下してしまうとのこと。
人は怒りや喜びの表情を見たとき、無意識のうちに関連する自分の筋肉を収縮させてその表情を真似し、相手の感情を識別することを支援しているそう。ボトックス注射を投与すると顔の筋肉が弛緩するため、この真似ができず感情識別に影響がでるようです。
つまり、表情筋と扁桃体や楔状回との間のコミュニケーションがボトックスによって阻害される可能性が示唆されました。
シワを予防するためのボトックス、肌を美しく見せるためのスキンボトックスなど、今や20代~70代まで幅広い世代で普及しているボトックスですが、ずっと注射を打ち続けることで、脳活動や脳機能にも変化を及ぼすとなると、色々と考えさせられますね。
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